ドッグフード毎の給餌量の違いはなぜ?専門家に聞きました!
※本ページはプロモーションが含まれています。
ドッグフードのブランドを切り替えたら給餌量が少なくなって本当にこれで良いのかなと不安になることがあると伺いました。
確かにドッグフードはブランド毎に給餌量が大きく違い、同じ内容量でもコスパが全然違うということはあります。
なぜ、そんなことがブランド毎に給餌量が違うのかを獣医師さんに教えて頂きました。
犬丸先生
ドッグフードを切り替えたら1回に食べさせる量が極端に少なくなったり、逆に給餌量が多くなったというご経験がある方は多いと思います。
動物病院で受ける相談でも「うちはドッグフードを毎回○g与えているんですけど適正ですか?」と聞かれることがあります。
このページではドッグフード毎に給餌量が異なる理由と愛犬に合った給餌量の調整方法をお伝えします。
ドッグフード毎に給餌量が大きく異なる理由
犬丸先生
ブランド毎に給餌量が大きく異なる理由
1.ドッグフードごとにカロリーが異なるから
2.メーカー毎に適正カロリーが異なるから
3.商品コンセプト毎に適正カロリーが異なるから
4.犬のライフステージによって適正カロリーが異なるから
それぞれについて詳しく紹介します。
1.ドッグフードごとにカロリーが異なる
ドッグフードのラベルには原材料や栄養成分表示の他に様々な情報が記載されており、カロリー表記(代謝エネルギー)もあり、ドッグフードごとにカロリー量が異なっています。
ほとんどのドッグフードでは、100gあたりのカロリー量が記載されており商品ごとにかなりばらつきがあります。また、犬の適正な給餌量は一般的には体重ごとに設定されています。
例えばあるメーカーのドッグフードでは、4kgの成犬の1日あたりの適正カロリーは317kcal と設定されています。
体重ごとの適正カロリーをもとに、ドッグフードの適正量を計算すると、商品ごとに適正量は変わってきます。
4kgの成犬に100gあたり317kcalのドッグフードを与える場合
4kgの成犬の1日の必要カロリーは317kcal
ドッグフードの代謝エネルギー量は100gあたり317kcal
1日あたり100gが1日の給餌量
※1日の必要カロリーは特定ブランドをサンプルとしています。
一方で4kgの成犬に100gあたり270kcalのドッグフードを与える場合
317÷270=約117gが1日の給餌量
4kgの成犬の1日の必要カロリーは317kcal
ドッグフードの代謝エネルギー量は100gあたり270kcal
1日あたり約117gが1日の給餌量
先のドッグフードとは17gの差が出ます。
ドッグフードに含まれるカロリー量によって給餌量は変わり、特にカロリーの高いドッグフードからカロリーの少ない減量用のドッグフードに切り替えたケースでは、給餌量が倍近く変わることもあります。
2.メーカー毎に適正カロリーが異なる
先ほどは、4kgの成犬の適正カロリーを317kcalとしましたが、適正とするカロリー量もメーカー毎にばらつきがあります。
同じ4kgでも357kcalとしているメーカーもあれば、336kcalというメーカーもあります。
ドッグフードの給餌量は、体重ごとのカロリーと、ドッグフード自体のカロリーによって計算されますので、ドッグフードに含まれるカロリーが同じでも、メーカーによって給餌量が異なってきます。
犬丸先生
3.商品コンセプト毎に適正カロリーが異なる
同じメーカーのドッグフードであっても、商品の用途やコンセプトによって給餌量が変わることがあります。
その典型例が減量用のドッグフードです。
先ほどのメーカーでは4kgの成犬の適正カロリーは317kcalとありましたが、同じメーカーのドッグフードでも減量用のドッグフードでは200kcalとしていることもあり、1.5倍以上の差があります。
もちろん、200kcalというのは減量用のカロリーで、肥満の犬が痩せるために設計された数値なので、肥満ではない犬がその量で食べ続けると、どんどんと痩せてしまうカロリー量となります。
同じメーカーによっても製品ごとに給餌量が異なり、肥満など特定の状況で設定された商品もあるため、必ずどんなドッグフードか詳細をチェックして与えるようにしましょう。
4.犬のライフステージによって適正カロリーが異なる
同じ犬でも子犬・成犬・高齢犬では必要なカロリーが異なります。
ドッグフードの中でも総合栄養食はライフステージごとに設計されている商品が多く、同じ体重でもライフステージによって必要カロリーが変わるため給餌量も変化します。
一般的には子犬の頃はカロリーをたくさん必要とし、老犬になると基礎代謝量も落ちるためカロリーを減らすようになります。
例えば、7~8歳を超えると「そろそろシニア用のフードの方が良いかな?」ということで、シニア用のフードに変えると、同じメーカーの商品でも給餌量は変わってきます。
愛犬にあった適切な給餌量の調整方法
ドッグフードはかなり細かく給餌量が設定されているので、基本的にはラベルに表記されている量を守って食べさせることが重要です。
しかし、記載どおりの給餌量を食べさせていても、どんどん太ってしまう犬や痩せてしまう犬もいます。どんなに細かく給餌量を設定しても、その数値はあくまでも理論値呼ばれるもので、『目安の一つ』にしか過ぎません。
動物病院で診察して肥満を指摘すると「きちんとドッグフードのラベルに記載されている量を守っています」とおっしゃる方がほとんどです。
しかし、ラベルの量はあくまでも理論値ですので、実際に太ってしまった場合は給餌量を減らすべきで、痩せている場合は増やすべきなのです。
どのように給餌量を調整すれば良いか?
ポイントは、『体重』と『体型』です。
実際にドッグフードを食べさせながら、こまめに体重と体型をチェックし、肥満傾向なら5~10%程度、給餌量を減らし、痩せていくなら逆に増やしてあげましょう。
体重は体重計で測定して、小型犬の場合は最低でも100gごとの体重変化を正確に捉える必要があるため、人間の体重計だと正確さに欠けることがほとんどです。
新生児用の体重計や、動物病院やペットサロンの体重計を利用するようにしましょう。また、体重計によっても多少の誤差が生じますので、できるだけ同じ体重計で測定するようにしてください。
体型は、肋骨周辺の筋肉の触れ具合、背骨周辺の筋肉の触れ具合、腰回りのくびれをチェックします。
肋骨のあたりを軽く触れて、お肉で肋骨が触れない場合は肥満、逆に皮と骨しか触れないようだとやせすぎです。
背骨は、背骨の両脇の筋肉が背骨と同じ高さまで盛り上がっていると肥満、逆に骨と皮しか触れない場合は痩せすぎで、腰回りはくびれがなくなっていると肥満、と判断します。
このような体重と体型チェックを1週間ごとに行い、その結果にあわせて給餌量を調整してください。
ドッグフードの調整以外に気を付けるポイントはおやつ
犬丸先生
おやつの量が多いと、それ自体のカロリーが問題となって、ドッグフードの給餌量の調整がうまくいかないことがあります。
ですので、基本的にはおやつはできるだけ減らし、給餌量を考えるときはおやつのカロリーも含めて調整するようにしてください。
あと、いくら給餌量を調整しても、体型の維持がうまくいかないこともあります。そのときは場合によっては、病気が隠れている可能性もありますので、ちょっとした調整でうまく体重が維持できないときは、かかりつけの動物病院に相談しましょう。
ドッグフードの給餌量が変わる理由のまとめ
ドッグフードの給餌量は、様々な要因が関係しているため、商品ごとに変わりますし、同じ体重の犬が同じ量を食べていても、体重の変化は異なっていきます。
特にドッグフードの種類を切り替えたときや、犬のライフステージが変わったときには注意が必要です。また、同じ体重の犬でも、一頭一頭で基礎代謝量などが異なるため、同じドッグフードを食べていても、適正量は異なります。
ぜひご自身で体重と体型をチェックしながら、その子その子にとっての適正量を設定してあげてください。