ドッグフードの切り替え方法と注意点
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ドッグフードには実にたくさんの種類があり、様々な特徴を持っています。その中から自分の犬にあったものを探すのは至難の技です。さらにそのフードのラベル表記やウェブ情報などで成分や品質を十分に調べても、いざ食べさせてみたらイマイチ合わないというようなことはよくあることです。
そのため、あなたのワンちゃんにあったドッグフードを選ぶためには、いくつかの種類を食べ比べてみる必要があります。ですが、うまく切り替えていかないと、いろんなフードを与えることで、逆に吐き気や下痢などを引き起こしてしまう可能性もあります。
今回は、ドッグフードを切り替える時に気を付けたいことや上手に切り替えて行く方法についてお伝えします。
ドッグフードの切り替えで気を付けたい2つのこと
「ドッグフード」がどのように変わるのかをチェック
フードの切り替えで多いトラブルが、嘔吐や下痢といった消化器症状です。さらには、毛艶や涙やけ、便の性状の変化です。いずれも犬の健康状態に問題がなければ、ドッグフードの栄養組成や消化率の問題ですので、あらかじめチェックして
おくと、トラブルが起きた時に対処しやすくなります。
タンパク質の種類と量の変化をチェック
まず初めにタンパク質の種類と量を比較します。これまで食べていたドッグフードと、新しく切り替えたいドッグフードの原材料を比較しましょう。
肉類などの動物性タンパク質がメインなのか、穀類や芋類などの植物性タンパク質がメインなのか、あるいは肉類でもミールや副生物がどれくらい含まれているのか、こういった点をチェックしてください。さらには栄養成分を確認し、粗タンパク質の%がどれくらいなのかをチェックしてみましょう。
もし、これまで使っていたフードに対して、新しいフードがまったく違う原材料で作られている場合、体調が変化する可能性も高くなります。もちろん、悪化することもあれば、逆にこれまでのフードが合っていなかった場合には、症状の改善が見られます。
脂質の変化をチェック
次に脂質をチェックしましょう。これもタンパク質と同じように原材料と栄養成分の割合をチェックしましょう。そして、やはり従来のフードと新しいフードに大きな違いがあれば、体調の変化が出やすいと思われます。
炭水化物割合の変化をチェック
さらには同様に炭水化物もチェックしましょう。ドッグフードの場合は、タンパク質や脂質と異なり、炭水化物の割合は表示されていません。ですので原材料からイメージしてください。
ドッグフードの原材料表記は、使用量の多いものから表示されていますから、穀類や芋類など炭水化物を含む原材料が多いものが、最初に表記されている場合は、炭水化物量が多いと推測されます。これは私の獣医師としての経験ですが、炭水化物の割合が多いフードを使用している犬は、やや肥満傾向にあるように感じています(もともと犬は肉食動物なので、炭水化物の摂取量は本来は少ないはず)。
炭水化物の中でも、繊維質は栄養成分の割合として表記されています。一般的に、繊維の量が多いと、便の量が増えます。また、少ないカロリーで多く食べられることから、減量用のフードには繊維質が多くなっています。
ただし、繊維質が多いフードは、ちょっとした軟便や下痢だとその症状を分からなくしてしまい、下痢を伴う病気を隠してしまう(=発見が遅れる)可能性がありますので注意が必要です。
愛犬の状態変化をチェック
犬自身が、もともと嘔吐や下痢をしやすいのか、あるいは特定の合わない食べ物があるのか、そういった点は事前に確認し、何か気になることがあれば、フードを切り替える前に動物病院に相談してみることをお勧めします。
食いつきのチェックには注意が必要
フードを切り替えた時に、多くの方が重要視するのは「食いつき」です。ただし、食いつきの考え方にも注意が必要です。
確かに犬自身には、自分に合わないフードを避ける本能的性質があるように思います。ですので、食いつきが悪いフードを無理やり食べさせることで体調を崩すこともあるのですが、逆に、食いつきが良いからといって、それがその犬に合っているかというと、必ずしもそうとは限りません。
例えば、人間の子供も、お菓子ばかり好むケースがありますが、もちろんそれが健康に良いわけがありません。
それと同じように、犬も決して自分の健康に良いものだけを選んで食べているわけではありませんので、あくまで「良質なドッグフード」を飼い主の方が選んであげて、その中で、食いつきの良いもの、体調チェックで問題のないものを使うようにしてください。
フード切替後に体調をチェックする方法
では、その体調チェックですが、細かくは動物病院での健診ということになります。フードの中には、たとえ総合栄養食であっても、肝臓の数値に影響を与えるような粗悪なものもあります。ですので、可能であれば年に2回は健診を受けていただきたいです。
そしてもちろん、健診以外でも普段のご家庭でチェックしていただきたいポイントはあります。それは「毛艶」「便」「皮膚や耳垢」です。やはり、犬の体に合っているフードであれば、毛艶は良くなりますし、便の形や匂いは改善します。さらに皮膚のベタつきは改善しますし、耳垢の量も減るはずです。
便の量は多いと良いわけではない
注意していただきたいのが「便の量」です。よく、「うちの犬は毎日たっぷり排便しているから健康よ」とおっしゃる飼い主の方がいますが、もしそのドッグフードが繊維質豊富なフードでなかった場合、「大量の排便」は病気の徴候かもしれません。
特に消化器アレルギーと呼ばれる病気では、特徴的な症状の一つに「排便量が増える」というものがあります。ですので、たとえ形のある便をしていても、たくさんの排便が見られた場合は、一度動物病院に相談してみることをお勧めします。
このように、ドッグフードを切り替える際には、「ドッグフードのチェックポイント」と「犬のチェックポイント」を意識して、切り替えて見てください。
ドッグフードの上手に切り替える方法
ドッグフードを切り替える時には、焦らず、時間をかけて切り替えてあげましょう。
原材料の違いによって、下痢などを起こすことがありますが、ほとんどの場合は一時的なもので、食べ慣れてくれば自然と治ります(もちろん、すぐに治らない場合は必ず動物病院を受診しましょう)。
とはいえ、やはり下痢をしているのは見ていて辛いですし、お世話も大変です。
新しいドッグフードに慣らして切り替える
これは詳しいメカニズムは不明ですが、いわゆる「慣らす」ということでほとんどは解決できます。つまり、突然全てのドッグフードを新しいものに変えてしまうのではなく、従来のフードと新しいものを混ぜながら与えるという方法です。
具体的には、これも明確な基準があるわけではありませんが、次のような方法で切り替えることが多いです。
1. 最初の2日は従来のフード7割に新しいフード3割を混ぜる
2. 特に問題がなければ次の2日で、半々ずつ混ぜて食べさせる
3. さらに次の2日で、従来のフード3割、新しいフード7割にする
4. ここまで問題なければ、完全に新しいフードに切り替える
愛犬がお腹が敏感な場合は整腸剤を使う
また、少しお腹が敏感な犬の場合は、切り替える時に整腸剤を一緒に使うことで、切り替えのトラブルを減らすことができます。ただし、整腸剤も犬用のものは品質がピンからキリまでありますので、動物病院で相談したりして、品質の良いものを使ってあげてください。
どうしても上手くいかない場合は病院に相談
このような形で切り替えてみて、上手くいかない場合は、さらに別のフードにするか、あるいは犬自身に健康上の問題がないか、動物病院に相談するようにしてください。
そもそもドッグフードを切り替える理由とは?
ドッグフードを切り替える理由は様々あります。
療法食をスムーズに導入できる
より愛犬にあったフードを探してあげることもそうですが、それ以外にも、いろんなフードを食べていることで、病気になった時の療法食もスムーズに導入できるようになります。
フードローテーションでアレルギー症状を緩和できる
また、フードローテーションと言って、アレルギーを持つ犬が複数のフードを使うことで、アレルギー症状の緩和を図る方法があり、やはりその時にも導入が簡単にできるようになります。
ライフステージの変化に対応できる
また、犬に限らず生き物は、時間とともに体も変化していきます。それはドッグフードのステージ分け(パピーとかアダルト、シニアという分け方)だけでなく、もっと細かなレベルで変化していきます。
より良いドッグフードを求めて
そして本来なら、ドッグフードもその時々の状態によって、より良いものは違うはずです。ですので、もちろん、次々と新しいドッグフードを試す必要はありませんが、一つのフードにこだわることなく、いくつかの良質なドッグフードを選んで、それを食べることができるようにしてあげたいものです。